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ども、デイブでございます。最近ちょっとノイズキャンセリング対応のワイヤレスイヤホンとかヘッドホンがアツくなってますね。パナソニックがTEACブランドでEAH-AZ70Wをリリースしたと思ったら、独SennheiserもMOMENTUM True Wirelessの新モデルを発売!
このノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホン(以下「NC対応TWS」)の流れは、昨年2019年7月13日にSONYが発売したWF-1000XM3から始まっていると思います。
私は、当時銀座ソニーストアに趣き、2回視聴させていただいた結果、優れたイヤホンだと思ったのですが、結果的には2018年10月4日発売、つまり当時ですでに発売約1年経過していたヘッドホンの方、つまりWH-1000XM3を購入してしまいました(過去記事はこちら)。
その時ノイキャン性能&音質の合計点でヘッドホンの方にしたんだよね。でも結局今回はイヤホンなの?
NC対応TWSは人気のジャンルだけあって、各社進化のスピードが早いんだよね!
そう、アップルやパナソニック、ゼンハイザーの最新のNC対応TWSは、ノイズキャンセリング性能・音質ともに非常に高いレベルで結実しており、そこにさらに各社の特色を活かしたものに仕上がっています。
そんな群雄割拠の状況の中でも、色々迷いながら私が購入したのは「Sennheiser MOMENTUM True Wireless 2」でした!
タップできる目次
MOMENTUM True Wireless 2を選んだ理由
まずは同製品購入の決め手となった部分を5つ上げてみます。
- ゼンハイザーのヘッドホン、イヤホンに共通する音質の高さ。元気で濃く、低音が豊かでまさに音を楽しめるクオリティ
- 控えめだが、音楽に不要なノイズはしっかり除去しつつ、音楽を邪魔しないバランス
- カスタマイズ性が高く、直感的な操作ができるタッチパッド
- タッチパッド操作との相乗効果で実践的な「外音取り込みモード」
- イコライザーやその他の設定、ファームウェアのアップデートができる専用アプリ「Smart Control」
以上です。最後まで迷ったTEACとのスペック比較・視聴結果などは下記でご説明していますが、NC対応TWSの進化はすごいなっと関心し、納得の購入となりました。
価格は35,800円とかなり高額ですが、この音質と使い勝手の良さは一度聞いたら手放せなくなっちゃいますよ!
今回購入したMOMENTUM True Wireless 2(以下「MOMENTUM TW 2」)にはホワイトとブラック2モデルあり、私はホワイトをチョイスしました。ブラックが特に人気らしいです。
MOMENTUM True Wireless 2のスペックと特徴
まずはMOMENTUM TW 2とEAH-AZ70W、さらにはWF-1000XM3のスペック比較をまとめてみました。スペック上、もちろん後発のMOMENTUM TW 2とEAH-AZ70Wがじわじわと機能改善しているのですが、私が注目したのは「ノイズキャンセリング方式」の部分です。
ノイズキャンセリング機能とひと口に言っても、実は細かく分けて2つの機能に分かれます。それが「フィードフォワード」と「フィードバック」と呼ばれており、それぞれの働きは下記のとおりです。
- フィードフォワード方式(外部マイク使用):周囲のノイズを集音し、ノイズの逆位相の音と音楽とミックスしてノイズを消去する方式
- フィードバック方式(内部マイク使用):耳穴の内部で「再生されている音楽と外部から侵入するノイズの両方」をマイクで収音し、それを「再生音にぶつける」=これだと再生音ごと消去されるので、改めて再生音と合成を行う
②は、再生音と改めて合成する必要があるのですが、これに①の音声を加えることで高いノイズキャンセリング効果を実現するのがいわゆる「ハイブリッド型ノイズキャンセリング方式」です。
WF-1000XM3はSONY得意のデジタル技術を活かし、①②を両方デジタル処理していますが,EAH-AZ70Wは①をデジタル、②をアナログで処理しています。さらに、MOMENTUM TW 2は①の外音に対するノイズキャンセリングだけでノイキャン処理をしています。
また、Androidのスマホやタブレット、Windows10などのみ採用していますが、apt-Xという高品質コーデックにも唯一対応しています。周波数帯域の広さなども含め、私はSennheiserのこのTWSのポジショニングを理解した気がしました。
ノイズキャンセリングはフィードフォワードだけで十分! その分音質で勝負だぜ!ってことでしょ?
スペック上はそんな感じに読めるね。ノイズキャンセリングの効きや音質評価は次の項目で!
※ちなみにMOMENTUM TW 2のみ最新のBluetooth 5.1になっていますが、同バージョンの最大の機能アップは「方向探知機能」で、いわゆる忘れ物タグのように、現在対象となるアイテムがどの方向にあるのかを示す機能です。現状、MOMENTUM TW 2のアプリには位置を示すような機能はありません。
MOMENTUM True Wireless 2 vs EAH-AZ70W
店頭で視聴をして比較したのですが、EAH-AZ70Wのノイズキャンセリング性能はWF-1000XM3と同等くらいだと思います。一方MOMENTUM TW 2はそれより1段階控えめですね。ノイズキャンセリング性能だけを取れば、今回比較対象ではないですがApple AirPods Proがどれより強く効くと思います。
ただし、音質は私はEAH-AZ70Wのキラキラ透明感が高くてすっきりした感じよりも、MOMENTUM TW 2のゼンハイザーサウンド、全体的に元気で楽しい音作りと豊かでしっかり響く低音に惹かれました。
EAH-AZ70Wは発売後の試聴機での体験にとどまるので、もしかしたらエージングで変わるのかもしれませんが、ゼンハイザーの方は装着した瞬間納得感のある音だったので、今回はこちらに決めました。
MOMENTUM True Wireless 2のパッケージとデザイン
さて、ここからMOMENTUM TW 2の詳細レビューとなります。まずハードウェア周りをチェックしたいと思います。
このファブリック(織物)が貼られた充電ボックスケースの手触りがとても良いです。 幅 7.5cm x 奥行き 4cm x 高さ 3.4cmで、手のひらにちょうどすぽっと収まる感じ。ユニットを含む重さが約71.2gでした。
ケース背面です。左にLEDディスプレイがあり、右のLEDボタンを押すと、充電状態を表示します。中央のUSB Type-Cケーブルを接続しているときと非接続時で動作が異なります。
ぱか! 充電ボックスのフタを開けました。凹みなどはないので、片手で開けるのは無理ですね。まず初代と比べるとイヤホン本体が小ぶりになっているのがわかります。それは取り出しやすさに直結しています。
人指し指で中央からイヤホン本体を外側に傾け、親指でつまんであげると「すっ」と外れます。収納するときは、磁石でくっつくようになっているので、もっと雑で大丈夫です。
イヤホン本体をアップにしてみました。左右外側の充電端子の他は、装着状態かどうかを判断するセンサーと、Bluetoothの接続状態がイヤホン本体でもわかるLEDが並んでいます。
充電ボックスとイヤホン本体の他には、25cmの短いUSB Type-A to Type-Cケーブル、シリコーン製イヤーチップ(XS, S, M(出荷時装着済み), L)各4ペア、「クイックガイド」、「安全に関する注意事項」が同梱物されています。
MOMENTUM True Wireless 2の音質評価
次に、いつもの曲でをMOMENTUM TW 2で再生してみて、私の感想を述べさせていただきます。使用開始から約1週間で、まだエージングは完了していませんし、音は個人の好みも大きいと思いますので、あくまでご参考まで。今回EQはフラットにして聞いています。
それぞれの曲の感想の前に、全体的な音作りでいうと、ゼンハイザーは本当にヘッドホンでもイヤホンでも約束された「ゼンハイザーっぽい音」にチューニングされています。
フラットなモニター的な音とは全然違う、厚みがあって迫力あるけれどもちゃんとタイトな低音と、バランスの良い中高音、適度な音場で元気で楽しめる音質ですね。初めてHD 25-1を聞いたときから、やっぱ自分はゼンハイザー好きなんだなぁと思います。
Channel Tres 「Jet Black」
のっけから低音の厚みにニヤニヤしちゃいますね。低音~高音まで無理のある部分がないので、全域で気持ちよく鳴ってます。音場も、曲がタイトめなのでタイトに聞こえますが一部のTWSのような、中央でなってるような窮屈さが全くないです。かっこいいですねぇ!
ホセ・ジェイムス 「Just The Two of Us」
ホセ・ジェイムスのボーカルの立ち上がりがセクシーでございます。そこにグルーブたっぷりのドラムとベースが重なって非常にノリノリな仕上がりになりますね。
低音が響きつつ、高音もきれいなので特にドラム3点の音が気持ち良いです。あぁ、ずっと聞いていたい…
マーカス・ミラー 「Trip Trap」
スラップベースがぐいぐい演奏される曲ですが、ユニットの性能のおかげで、それぞれの音の細かいところまでしっかり聞けて嬉しい感じです。
モニタリングイヤホンやヘッドフォンのように解像度キレキレ、ではないのですが、フュージョンのような超絶テクニックを聴き込むのも十分対応できる見晴らしの良いイヤホンだと思います。
デュア・リパ 「Swan Song」
これもすごく相性良い曲でした。壮大なパートからいきなりドライな音に、またドラマチックに、と大きく音場が変化する曲ですがそのメリハリがどちらもしっかり楽しめます。
デュア・リパのボーカルやコーラスも、大地がぼこぼこ沸き立つような音もどちらもしっかり響きあっていて、曲の印象が1段階アップした感じですね。
最後に:音質の特徴としては、やはりゼンハイザーの音作りの特徴である「厚みがあって迫力あるけれどもちゃんとタイトな低音と、バランスの良い中高音、適度な音場で元気で楽しめる音質」といった感じです。良き!
MOMENTUM True Wireless 2のペアリング・再ペアリング方法
購入は、イヤホンを充電ボックスから取り出すだけで、ペアリング状態になりますので、スマホやタブレットの「設定」メニューから「Bluetooth」を選択し、接続状態にある「MOMENTUM TW 2」が見つかったらそれをタップするだけでOKです。
ペアリングし直す場合も簡単でMOMENTUM TW 2のイヤホンユニットのタッチ部分を左右同時に3秒長押しすればOKです。「ペアリング」というボイスが流れて、再度ペアリング状態になります。
専用アプリ「Smart Control」でできること
ゼンハイザーは、TWS向けに専用アプリを配布しており、イヤホン単体ではできない設定変更やイコライザーの設定などが可能になります。ファームウェア更新のためにも使用しますので、インストール必須です。
iOS版とAndroid版がそれぞれ用意されていますので、MOMENTUM TW 2とペアリング済みのスマホやタブレットにダウンロードして、起動してください。
なにはともあれ「ファームウェア更新」
前述の専用アプリ「Smart Control」を起動し、イヤホンやヘッドホンを接続した際に、ファームウェアの更新が可能な場合は下記の用にポップアップでお知らせが表示されます。
2020年5月1日に最新ファームウェアの4.6.0が配信されていました。マイク通話音質の改善が主な更新点ということですが、使用してみた所、ファームウェア更新後もマイク性能はあまり良くないようです。
独自のインタフェースが楽しい「イコライザー機能」
MOMENTUM TW 2の音質を、下記のようなユニークなインタフェースで変化させ、保存することが可能です。白い玉を上下左右に動かすことで左の低音域から、右の高音域の分量をコントロールできます。
右下の「Add Preset」をタップし、名前をつけて保存すればいつでも設定済みの設定を呼び出せます。
その他デバイス設定
ここで、イヤホンを耳から外した時の動作やノイズキャンセリングの有無、また左右のイヤホンをタップした時の動作を細かく調整できます。
確実な動作とフィードバックで非常に使いやすい「イヤホンコントロール」
音質と並んで、MOMENTUM TW 2で関心したのが、イヤホンコントロールのしやすさ・確実な動作です。
左右ともに、基本的に「タップ1回」「2回」「3回」「押しっぱなし」の4つの動作でイヤホンをコントロールできるのですが、タップ1回ごとに「ピポパ」とちょっとずつ音程が上がるので、実際何回タップしたのかがすごくわかりやすくなってます。そしてタッチミスがほとんどない!
各設定はSmart Controlの「イヤホンのカスタマイズ」メニューから上記画面で設定変更できます。1週間使用して、私のオススメの設定変更箇所があるのですが、それはこんな感じです。
「Transparing Hearing」(外音取り込み)をタップ1回にして、ほとんど使用しない音声アシスタントをタップ3回にしました。
この変更により、アナウンスやレジなどなど外の音を聞きたい場合も操作ミスの少ない1タップで「音楽一時停止&外音取り込み」が発動します。用事が済んだらまた右を1タップするだけで、ANCが戻り、音楽も再生開始してくれます。
この時、一時停止が2分以内だと上記のように音楽も再開するのですが、2分を超えるとANCには復帰するのですが、音楽は停止したままでした。この場合も、左耳を1タップすれば音楽が流れますので、わかりやすいですよね!
どうよ、この便利なカスタマイズ! これ神設定でしょ!
これで、急いでイヤホン外して紛失したり、スマホ操作して落としたりしなくて済むね…
MOMENTUM True Wireless 2のイマイチな点
良いところもありますが、何点かイマイチな点もありますので整理しておきたいと思います。3点あります。
- ノイズキャンセリング性能は控えめ…
- 通話時のマイク音質はそこそこ
- 充電状態がわかりにくい
①ノイズキャンセリング性能:イヤホンでもApple AirPodsや、今回比較の上選択しなかったEAH-AZ70Wのノイズキャンセリング性能はだいぶ上です。フィードバック方式不採用と、音質重視の判断だと思いますが、ここはもうちょっとなんとかならなかったのかな、と。
②マイク音質:マイクに定評のあるゼンハイザーなので、MOMENTUM TW 2でも聞くだけではなく、話す方の音質も期待していたのですが…これ最新のファームウェアアップデートを当てても、iPhoneのマイクでそのまま喋ったほうがクリアに聞こえました。
③LEDディスプレイといっていますが、1灯で点灯・点滅の組合で様々な状態を表現しており、正直良くわからないです。せめてバッテリー残量表示は、よくある3灯方式とかならわかりやすかったのですが。
以上、改善点です。②や③はもうちょっとどうにかならないかなぁと思います。ただ、①は、ノイズキャンセリングはどうしても、ノイズの部分を元の音から消去し、またそこに原音を乗せるなど複雑な処理が必要になってしまうので、正直ゼンハイザーの音色が好きで、この音が鳴っているのであれば問題なし!と判断しました。
COMPLYの専用イヤーピースに交換してみました
付属のイヤーチップは、耳穴に接する部分がやわらかくて、遮音性が弱めなので、別のイヤーチップに交換すると遮音性能がアップして総合的なノイズキャンセリング性能もあがると思いました。
そんなときにトライするのはいつもCOMPLYのイヤーピースです。で、公式サイトをチェックしていると、確かに存在しているんです、このMOMENTUM TW 2にも対応したモデルが。
「TrueGrip Pro for Sennheriser Momentum True Wireless 1 & 2」という製品がそれです。初代とMOMENTUM TW 2はサイズ・形状的には同じなので、両対応になってました。
ところが、日本のAmazonとか、家電量販店で探しても国内で販売しているサイトが内容なんです。そこで、公式から輸入しちゃいました。S/M/Lの3サイズがあり、TechDefenderという耳垢ガード付き・ナシを選択可能です。3ペアで約20ドル=2,400円(送料込)って、輸入ということを考えたらまぁまぁリーズナブルかと思います。
私は耳穴は左右で若干異なるのですが、通常Lサイズがフィットするので、「Lサイズ・TechDefernderなし」を2セット注文してみました。送料かからないので、1セットでよかったかも…
ショッピングカートに追加してチェックアウトするところです。「PayPalで支払う」が選択できるので今回はPayPalで。
PayPalを選んだ理由は、こんなふうにPayPalに配送先住所や銀行口座、クレジットカード番号等を登録してあると、一切記入せずチェックアウトできるからですね。便利です!
5月14日(木)に注文して、配達されたのは5月29日(金)なので、約2週間かかりました。税関混雑していると思うので、結構早かったと思います。
届いたTrueGrip Proに交換してみます
到着しました! 右が今回購入したTrueGrip Proですね。
MOMENTUM TW 2純正イヤーチップ(左)とTrueGrip Pro(右)を比較してみると、直径はあまり変わりませんが、TrueGrip Proのほうが高さが高く、先端まで幅がある形状になっています。
MOMENTUM TW 2に装着してみました。先端をこくっと押し込むだけでしっかり装着できました。さすが専用イヤーチップ!
もちろん、TrueGrip Proを装着したままで充電ケースにきちんと収納できます。
音質の変化は?
まず、ノイズキャンセリング機能がぐっとアップします。これは、COMPLYが耳穴にみちみちにフィットすることで、周囲の音を遮音してくれるのが大きいですね。
そして、そのおかげで上記の音質レビューの際の「厚みがあって迫力あるけれどもちゃんとタイトな低音と、バランスの良い中高音、適度な音場で元気で楽しめる」というキャラクターが更に強調され、1段レベルアップした感じになりました。これは一度使用してしまうともともイヤーピースには戻せないです! おすすめです!
輸入まではしたくないけど…という方に
手間やコストを考えて、COMPLYはちょっと、という方におすすめしたいのは購入後に付けていたSONYのトリプルコンフォートイヤーピースです。
こちらもLサイズを使用していました。柔らかいのに反発もあるという、シリコンとフォーム(コンプライのような)の中間ような素材でできており、まさに音質的にも本機の特製を生かしたまま、遮音性をアップできていると思います。
MOMENTUM True Wireless 2まとめ:音質が好みなら絶対買いです!
以上、Senheiser MOMENTUM True Wireless 2のレビューをお届けしました。3.5万円台とかなり高級な部類に入るノイズキャン製リング対応完全ワイヤレスイヤホンですが、お値段分の価値がしっかりある、聞いていて実に楽しく、便利なイヤホンだと思います。
一方で、アップル製品との親和性の高さならAirPods Proが、そして技術の粋を集めたような国産イヤホンであればTEAC EAH-AZ70Wもあり、悩みどころかもしれません。
なかなか視聴するのも難しい状況だとは思いますが、もしこのジャンルに興味があったら、絶対チェックしておくべき1台だと思います。それでは、また!