この記事には広告を含んでいます。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
ども、デイブでございます。今日のトピックはガジェットブロガーの方が「技適マークを取得していないWi-FiやBluetoothなどの無線を使用する機器」を先行レビューする際に必要な手続きをご紹介します。
今回シャオミの新しい「Mi Smart Band 5」というアクティブトラッカーの中国語版をレビューしたかったので、実際に届け出申請してみました(その後、同型番のグローバル版に技適マークが付いていたので不要だったかもしれませんが、現時点でも中国語版に技適マークの表示は無いので申請必要と判断しています)。
新しいもの好きのガジェットブロガーさんだと、中華スマホやアクティブトラッカー、ノートPC、ミニPCやBluetoothスピーカー、無線接続の体組成計などをレビューしたいという機会もあると思います。ぜひご参考にしていただければと思います!
あくまでも特例制度であって、ちゃんと届出を行い、ルールに従って運用する必要があります!
でも、ちゃんと届出を行えばいろいろな新しいガジェットが日本でも試せるね!
タップできる目次
技適マークを取り巻くこれまでの状況について
ご存知の通り、日本でWi-FiやBluetoothなどの無線を使用する機器は、同機器が日本の技適マークを取得している必要があります。そのため、早くレビューしたいガジェットでも、技適マークが無いためにレビューできないケースがありました。
もしレビューしてしまうと「技適警察」に厳しく問い詰められる事態が発生します。しかし、これは「アボカド警察」のような微笑ましい(?)話ではなく、間違った運用をすると緊急無線を含む無線通信に障害を発生させる恐れもあるため、ときに重要な通信ができなくなります。命に関わる問題になるので、法令遵守は私のようなガジェットブロガーとしても責務でした。
一方で、インバウンドの高まりから、海外居住者が海外で契約した端末を90日以内国内で利用することを合法とする法改正もなされましたが、国内居住者に関しては対象外でした。
大きな変化があったのは、昨年2019年11月20日の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」の開始でした。「実験・試験・調査の目的のため」であれば、個人でも届け出を行うことで技適未取得の機器を日本国内で使用できるようになりました。
運用開始当時はWebサイト上で届出書を作成・印刷して自署または捺印して提出する住所地の都道府県を管轄する総合通信局。たとえば首都圏の1都7県は東京にある関東総合通信局に直接提出する必要があり、なかなか敷居の高い制度でした。しかし、ついに2020年5月27日より「Web届け出」が運用開始されたのです(ぱちぱち)!
ちなみに「アボガド」じゃないよ、「アボカド」だよ!
なんでも、名前って大事だよね…
特例申請できる「無線機器の種類」と「使用目的」
詳しくは、総務省の技適特例制度のポータルサイト「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」の下部に、非常にわかりやすいチャート式の判別ツールがあります。
ぜひこちらでまず「使用できる無線設備」を確認してください。
一番重要な確認ポイントはこちらになります。特例申請が適用されるのは、主に下記の3パターンのみになります。
- Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax draft)
- Bluetooth 2.1~5.1
- その他規格(Zigbee、LPWAの規格、WiGig、ミリ波レーダー等):詳細はこちらの「令和元年総務省告示第263号」「令和元年総務省告示第264号」を参照
となっていますWi-FiおよびBluetoothともに、周波数帯と送信電力および使用場所の限定がありますので、その点は注意が必要です。
特例申請~廃止届出方法解説(申請記入例つき)
全体の流れとしては、①新規ユーザー登録を行い、②同アカウントから届出申請します。もし特例制度期間180日間の間に変更があれば③変更届出を行い、最後には必ず④廃止届出を行うことになります。
下記では、4つのステップについてそれぞれご説明します。
①新規ユーザー登録する(本人確認必要)
まず、総務省のポータルサイト「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」で新規アカウントを作成する必要があります。
その際に本人確認が必要なのですが、現時点で大きく2つの方法が用意されています。さらに現在は特例として3つめの方法(下記郵送による手続き)も提供されています。
- 電子署名を用いたオンラインでの本人確認
- 対面による窓口での本人確認(本人確認書類を総合通信局に提示)
- 上記2の郵送での手続き(新規ユーザ登録に係る臨時措置)
この中で、特にオススメできるのは①のオンラインでの確認です。法人の場合は商業登記電子証明書などの電子証明書が必要ですが、個人の場合は、マイナンバーカードと対応ICカードリーダーライターがあれば、一瞬で本人確認が完了します。
また、Windowsパソコンについては、対応するAndroid端末をICカードリーダライタとして公的個人認証サービスを利用することが可能です。詳細はこちらのページをご参照ください。
ちなみに私は対応するスマホを持っていなかったので、下記の対応ICカードリーダーライターを購入しました。
※パソリ(RC-S380)で本申請制度の本人確認を行うためには、事前に「NFCポートソフトウェア」および「PC/SCアクティベータforTypeB」をインストールしておく必要があります。
一度環境を整えてしまえば、マイナンバーカードで今話題のマイナポイントを獲得できたり、保険証の代わりになったり、コンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書を取得できるなどどんどん便利になりますので、ぜひこの機会に取得してくださいね!
②機器ごとに届け出を行う
所要時間: 10分.
下記の4項目を記載していきます。一番下に私が登録した実際の内容(一部個人情報のため伏せ字)をサンプルとして転記してありますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 届出者情報
メールアドレス・指名・住所を記入する。ただし、いずれもログインアカウントおよび本人確認の際の個人情報が転記されるので記入なし、確認のみ。
- 実験等の目的
ひな形から選ぶか、自由記入で目的を記載します。私は、1番目のひな形を選び、《機器名》に《Xiaomi Mi Band 5》、《具体的なサービス等》に《科学又は技術の発達のため》と記入しました
- 無線設備の規格(相当技術基準)
この項目では、使用する機器がどの無線規格を使用するかを選択します。このリストに掲載されていない規格や、携帯電話事業者が提供するLTE、4G、5Gなどは、この特例申請手続では使用できない点に注意してください。Mi Smart BandはBluetooth 5.0なのでそちらだけを選択して次の項目にすすみます。
- 無線局(使用する無線機器)ごとの情報(複数登録可能)
無線局ごとの詳細情報を記載します。記載内容は欄外を参照してください。
- 機器を識別する番号(シリアルナンバー):************
- 機器の製造者:小米科技
- 機器の型式または名称(FCC ID等を併記):FCC ID 2020DP2356
- 設置場所・移動範囲:屋外を含む 自宅:(自宅の住所) 移動先:(勤務先の実住所):移動経路 自宅→最寄り駅→移動先および逆路線
- 屋内/屋外の別:屋外を含む
- 運用開始年月日:2020年7月5日
- 緊急連絡先電話番号:自宅電話番号
- 技術基準に適合する事実の確認方法:2つあるうちの左:「無線設備本体や取扱説明書、パッケージの表示により、次の全ての内容を確認しました」を選択
以上となります。様々な注釈がとても丁寧に記載されていますので、ぜひポータルサイト「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を参照しながら進めて下さい。
この後は記入内容を確認し、問題なければ届け出は完了です。
③ 180日以内に変更があった場合はすみやかに変更届出を行う
開設届出後、届出事項を変更しようとするときは、事前に届出(変更届出)を行う必要があります。(電波法第4条の2第4項)。こちらは届け出済みの項目をクリックすると、右上に「変更届出」「廃止届出」のボタンが並んでいます。
届出の内容に変更がある場合はこちらで変更してください。
届出者の氏名及び住所等は、別の届出が必要ですので、その点は注意してください。この個人情報の届出は、申請とは別に単体でも実行できます。
④180日後に「廃止届出」を行い終了
重要なポイントとして、開設届をした日から、廃止届出を提出するまでの期間が180日以内に収まっている必要があります。
開設届は無線通信を行うことは出来ませんので、必ず「①開設届出」→「②案内・表記開始」および「③実験開始」→「④無線機器の回収・廃止」→「⑤廃止届出」となります。
この①~⑤の期間の最大が180日ですので、使用開始や回収がその期間中に終了するよう、注意してください。私は下記のサイトで日付を確認させていただきました。
廃止届出後は、無線設備(今回で言えばXiami Mi Band 5)が誤って不法無線局として使用されないようにする必要があります。今回のケースでは電源をオフして保管するか、使用できない状態にして廃棄することになります。
ちなみに、2020年7月5日の180日後は2020年12月31日です!
たしかにキリはいいけど、なぜドヤ顔なの…
その他の注意事項について
実験内容や結果を公開する場合の記載事項
本特例制度を利用してレポートやブログ記事を公開する場合は、かならず目立つ位置に下記の注意喚起の文言を掲載する必要があります。ブロガーだったらブログ記事の、インスタグラムなどSNSでも必要ですので注意がひつようです。
この無線設備は、電波法に定める技術基準への適合が確認されておらず、法に定める特別な条件の下でのみ使用が認められています。この条件に違反して無線設備を使用することは、法に定める罰則その他の措置の対象となります。
その他注意事項
届出が受け付けられた場合であっても、実際の無線機器や運用条件が特例制度の要件を満たしていない場合は、特例制度の効力が生じず、その状態で使用を継続すると最高で一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が課されるので、注意が必要です。
もちろん、違法な機器を使って違法無線局を開設するレベルではありますが、特例制度を正しく守って運用することが、ガジェットブロガーとしての明るい未来に繋がりますので、きちんと運用するようにしましょうね!
特例制度を正しく使って役立てましょう!
長々と書いてしまいましたが、マイナンバーカードと対応ICカードリーダーさえあれば、アカウント新規制作に10分、届け出申請に10分と完了まで20分くらいで完了します。
ただ、そもそもこの特例制度が設けられた理由は、日本において新しい無線機器の活用が遅れ、技術の発展と進歩に支障をきたすようなことが無いようにするためです。
ある程度のリスクの範囲内みとめられた、あくまで特例としての制度です。いくら申請済みで技適の無いガジェットが使用できるようになるとしても、正しい届出を行わない、必要な変更を怠る、また万が一使用した機器によって不具合が発生した恐れがある場合にメーカーに連絡を行ったり、ブログなどで告知をするなどの義務を放棄すれば、この特例措置も終了してしまうかもしれません。
私も、ぜひ、正しく使って正しく発信に努めたいと思います。皆様の参考になれば幸いです! それでは、また。
cta_all