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今回ご紹介するのは、パナソニックから発売された 圧力鍋にかき混ぜ機能がついた調理家電「オートクッカー ビストロ」です。
ホットクックの対抗機種か!として注目されている本機種、その実力はいかに?ということで、かき混ぜ3兄弟の「ヘルシオ ホットクック(シャープ)」「シェフドラム(アイリスオーヤマ)」と比較してみました。
まず飴色玉ねぎを作り、その飴色玉ねぎと人参・豚肉でをシンプルなカレーを、という流れです。
出来上がった料理のできはもちろん、実際の調理時間や後片付けの手間など、総合的に比較していきます。
タップできる目次
我が家にかき混ぜ3兄弟が揃うまで
ヘルシオ ホットクック(シャープ)
我が家では2018年3月に24Cという2.4Lのモデルを購入して以来ホットクックを愛用しています。
かき混ぜ機能があり、材料の重さを計って塩分を調整すれば、さまざまな材料を素材の味を活かしつつ、失敗なしで美味しく仕上げてくれるホットクックは今でもうちの調理家のトップの座に君臨しています。当ブログでも、実際に作ったレシピを140件近く公開しています。
シェフドラム(アイリスオーヤマ)
2022年に導入したのがシェフドラムです。オートクッカー ビストロ、ホットクックとは違って鍋自体が回転する独自の機能により、「炒め物」や「揚げ物」が上手にできます。特にパラパラチャーハンとか、野菜炒めなどは、蒸気を大きく逃しながら調理できるのでパラパラに、そしてシャキッと調理できます。
オートクッカー ビストロ(パナソニック)
ホットクックとシェフドラムでかなりの料理をカバーできますし、同時調理を駆使すれば効率化も実現できています。
では、なぜオートクッカー ビストロを購入したのか。
それは、圧力鍋の機能ですね。
当ブログのテーマのひとつである「おまかせ家電」として、ホットクックは調理をスタートしてしまえば火加減やかき混ぜなどは全部自動でやってくれるので、その間は他のことが出来る=時を産み出す=「時産家電」です。ですが、ある程度の調理時間が必要になります。
一方で、圧力鍋は「時短家電」です。加圧による沸点上昇で、短時間に素材を柔らかくしたり、味の染み込みをよくしたりしてくれます。
ホットクック+圧力鍋の機能、ということで、この足し算の効果がどれほどのものかを確かめたくなった、というのが購入の理由です。
また、YouTubeを始めたため、というのも理由です。
オートクッカー ビストロは、家電量販店で97,900円の10%ポイント付き、Amazonでも89,000円でとかなり高価なためか、発売以降もブログやYouTubeであまりユーザーレビューを目にしません。でも気になっている方も多いと思いますし、もちろん気になりまくりの私が購入してレビューするしかない、と。
オートクッカー ビストロ vs ホットクック vs シェフドラム
飴色玉ねぎ対決
- 玉ねぎ(中):3個
- サラダ油:大さじ2
共通の素材で3機種それぞれ調理した結果、所要時間では短い順に、
- オートクッカー ビストロ
- ホットクック
- シェフドラム
となりました。
また、調理前後の重量比較による水分減少量は多い順に、
- オートクッカー ビストロ
- シェフドラム
- ホットクック
でした。
実際の所要時間 | 玉ねぎの重量変化* | 調理指定 | |
---|---|---|---|
オートクッカー ビストロ | 1時間5分(65分) | -45%(328g/-272g) | 自動メニュー「19」 |
ホットクック | 1時間29分(89分) | -37%(398g/-202g) | 手動-炒める-混ぜる ** |
シェフドラム | 2時間2分(122分) | -41%(352g/-248g) | 自動メニュー「8-3」 |
** 参考レシピ:ホットクック部 「手間なしお任せの飴色玉ねぎ」(チロさんち)
飴色玉ねぎの3兄弟比較
オートクッカー ビストロ
若干繊維あり
- 最も短い時間で最も水分量が変化した。火力が強く、最も効率が良かった
ホットクック
繊維あり、水分が多い
- 水分が残った点、無水調理を得意とするホットクックなので、少し無茶ぶりだったかも
シェフドラム
ほぼペースト状
- 時間はかかったが、本当の意味での「ペースト」にまで到達したのはシェフドラムのみ
ポークカレー対決
- 飴色玉ねぎ
- にんじん:1/2本
- 豚肉:約250g
- 市販のカレールー:4人分
(水の量は各自動メニューに従った)
実際の所要時間 | 自動メニュー | |
---|---|---|
オートクッカー ビストロ | 37分 | 1(ポークカレー) |
ホットクック | 43分 | 63(ビーフカレー) |
シェフドラム | 51分 | 1-7(ビーフカレー) |
ポークカレーの3兄弟比較
オートクッカー ビストロ
「ワイルド」
- 重めの仕上がりでこってり感あり
- お肉の旨みが凝縮
- ルーの辛さが際立つ
- 人参は溶けてしまって特別味を感じなかった
ホットクック
「スムーズ」
- まとまりがあり、なめらかで、舌なじみが良い
- 辛さは控えめ
- お肉はほろほろと柔らかい
- 玉ねぎの甘さもあった
シェフドラム
「マイルド」
- 全体にもったりとした印象
- お肉にパサつきあり
- 人参の味が残っている
飴色玉ねぎを使ったこともあり、どの機種でもおいしさが底上げされた仕上がりでした。
個人的には、辛みとお肉の旨みが全面にきたオートクッカー ビストロが好きです。
後片付け対決
ホットクック
まぜ技ユニットを使った場合、内鍋・内ぶた・まぜ技ユニット(ウイング+カバー)・つゆ受け・蒸気口カバーの合計6点と、かなり点数は多いのですが、実は内鍋以外、全て食洗機が使えます。
シェフドラム
一見、内なべとガラス製のふただけというシンプルな構造です。
しかしながら、ふた中央の蒸気口の間にも小さなゴムパッキンがあるので、分解洗浄したくなるのが人情。
この蒸気口、洗うだけならいいのですが、取り付け時、なかなか位置が決まらず、めんどくさいです。
また、ふた本体のゴムパッキンは取り外すことができません。
内なべは他に比べて深く、左右の下部と底に凸凹があるため、洗いにくさも感じます。
なお、全て食洗機非対応です。
オートクッカー ビストロ
こちらも一見、内なべ・内ふた・回転する羽根を洗えばいいのかな、と思いますが、圧力鍋仕様の内ふたには金属製の圧力表示ピンカバーとノズルキャップがあり、圧力を使わなかった場合もここを外して洗う必要があります。カバーやキャップを外した部分も毎回掃除が推奨されています。
シェフドラム同様、内ふたのパッキンを取り外すことはできず、全て食洗機非対応です。
また、内なべの中心に、羽根を取り付ける円錐状の盛り上がり(軸)があり、この部分は一体成型ではないため、付け根の隙間に食材が詰まらないよう、気にする必要があります。
内なべは浅いのですが、この軸があるので、少々洗いにくいです。
オートクッカー ビストロ
食洗機:×
洗い物:3点
- 内なべ
- 内ふた
- 圧力表示ピンカバー
- ノズルキャップ
- 羽根
ホットクック
食洗機:〇
洗い物:6点
- 内鍋(食洗機不可)
- 内ぶた
- まぜ技ユニット
- まぜ技ウイング
- カバー
- つゆ受け
- 蒸気口カバー
シェフドラム
食洗機:×
洗い物:2点
- 内なべ
- ふた
- ふた本体
- 蒸気口 (3つに分解)
後片付けの3兄弟比較
このように、後片付けの手間で言えば一番簡単なのは実は点数が多いホットクックです。匂いの強い料理、例えばカレーとかニンニクを使った料理などの時は、食洗機の高温洗浄で綺麗にしたいのですが、他の2機種はちょっとそこが面倒でした(匂いが気になる時は別途煮沸による手入れが必要)。
オートクッカー ビストロは、圧力調理をしないときでも、圧力鍋仕様の内ふたの掃除は必要なので、そこもめんどくささを感じます。
総合的には、食洗機があれば、
- ホットクック
- シェフドラム
- オートクッカー ビストロ
ですね。
食洗機がなければ、
- シェフドラム
- オートクッカー ビストロ
- ホットクック
となります。
オートクッカー ビストロのオススメ・イマイチポイント
オススメ
- どの料理もちゃんとしたクオリティで仕上げてくれる
- 怖くない圧力鍋
- 分量を増減すると、調理時間にも反映してくれるのがわかりやすい
- デザインがかっこいい
イマイチ
- 初期不良に当たった
- 内なべのセットにコツが要る
- 後片付けが若干面倒
- 羽根のセットを忘れた時の台無し感
オススメポイント
どの料理もちゃんとしたクオリティで仕上げてくれる
飴色玉ねぎやカレーの他、チャーハンや圧力鍋機能を使った角煮や塩茹で豚も作ってみましたが、どれもちゃんとしたクオリティで仕上げてくれます。
作った料理の数はまだホットクックに比べて少ないので、現時点での感想ではありますが、メニューに沿って作る場合、オートクッカー ビストロが優っているものが多かったように思います。
怖くない圧力鍋
昔の記憶ではありますが、直接火にかけるタイプの圧力鍋は音やリアクションが派手で一触即発感があり、怖さがありました。
けれども、電気圧力鍋であるオートクッカー ビストロは、加圧も減圧も自動で音も静か、ふたも十分減圧しないと開かないようになっているので、安心して使用できました。
分量を増減すると、調理時間にも反映してくれるのがわかりやすい
自動調理メニューに関して、4人前→6人前など分量の増減があると、調理時間にも反映してくれるのがわかりやすくてよかったです。
ホットクックの場合、それぞれのレシピの中で「△度に達したら◇分煮て出来上がり」と温度変化に関してはみてくれているので、分量が変わったらそれに応じて「△度に達したら」までに要する時間は変わるわけですが、そこは明示してくれません。
デザインがかっこいい
オススメポイントの最後は、ちょっとミーハーで恐縮ですが、デザインと色がカッコいいというところです。
ホットクックは調理容量1.0L・1.6Lはブラックが出ているのですが、我が家でも使っている2.4Lにはなくて、出たらいいなぁと思っていました。
オートクッカー ビストロは初めからブラック1色のみで、すっきりしたデザインもカッコいいので気に入っています。
イマイチポイント
初期不良に当たった
個人的なことではあるのですが、初期不良に当たってしまいました。
玄米4合を仕掛けて他のことをしていたら、アプリに「ユーザーの操作によって調理が中止されました」と通知が来まして、けれども私も妻も何もしていないわけです。確認すると、液晶の内部に蒸気が入り込んだようで、文字がにじんで見えます。蒸気が入り込んだことが原因で、タッチパネルの誤動作を起こして強制終了してしまったと思われます。
購入3日目くらいのことだったので、メーカーに相談し、そのあと家電量販店にも相談したところ初期不良交換になりました。
内なべのセットにコツが要る
ホットクックの内鍋は本体に「乗せる」というイメージで、蓋を閉めてしまえばそれだけでOKなのですが、オートクッカー ビストロは圧力鍋の機能もあるからか「カチッ」という音を目安にしっかりセットする必要があります。
ところが、そのようにセットしているにも関わらず「内なべを正しくセットしてください」というエラーが頻発しました。
ほとんどが調理前だったのですが、1度だけ圧力調理中にエラーが出て中断。内なべをセットし直そうにも減圧完了まで待たねばならず、調理自体失敗してしまいました。
そこで、安定して調理できるようコツを探ったところ…
「カチッ」と噛み合わせるだけでなく、本体側左右に内なべが装着されたかどうかを感知するセンサーのようなピン、内なべ底の「なべ底センサー」があるので、その部分を意識し、しっかりと押し込んでセットすることで、「内なべを正しくセットしてください」エラーは出なくなりました。
今では問題なく調理ができていますが、やや不安定というか、神経質なところがあるなぁと感じています。
後片付けが若干面倒
どちらも長所の裏返しなのですが、
- 底からかき混ぜる羽根がある
- 内なべの中心に、回転する羽根を取り付ける円錐状の盛り上がり(軸)があり、少し洗いにくい
- 軸の付け根の隙間に食材が詰まることがある
- 圧力鍋の機能がある
- 圧力鍋仕様の内ふたには、圧力表示ピン・ピンカバー、ノズル・ノズルキャップがあり、圧力調理でなかった場合も毎回手入れしなければならない
といった部分に手間を感じます。
羽根のセットを忘れた時の台無し感
「底からかき混ぜる」という構造上仕方のないことではあるのですが、「混ぜる」メニューで、食材投入後に羽根のセット忘れに気づいた時のやらかした感がキツいです。
すでに食材が入っているところに羽根をつけることになるので面倒です。
ホットクックでも「まぜ技ユニット」の装着忘れはあるあるですが、調理開始前に知らせてくれますし、上からかき混ぜるタイプなので、開けて内ぶたにセットすればOKです。下に食材があっても関係ありません。
こちらも長所の裏返しゆえの面倒くささだと思います。
まとめ
色々な捉え方があると思いますが、ホットクックやシェフドラムほど気軽な調理家電ではないんだなぁという印象です。
オートクッカー ビストロの売りでもある「ホテルニューオータニ監修レシピ」などはまだ試していないのですが、きちんとした料理を、素材や調味料をきっちり揃えた上で完璧に再現するという点のクオリティは、かき混ぜ3兄弟の中で最も優れていると思いました。
一方、ホットクックの良いところは、きちんとした料理を分量通りで作ることはもちろん、もっと気軽に、今冷蔵庫にあるものや調味料でチャチャッとおいしくひと皿作れてしまう自由さにあると思います。
シェフドラムはやんちゃな感じでお祭りっぽさがあって、かわいいやつです。
ぐるぐる回転して炒飯やら作ってくれて、お子さんばかりでなく大人も気分が上がりますよね。得意料理が揚げ物や炒め物というところも陽気でにぎやかな食卓のイメージです。
ではオートクッカー ビストロはどうかというと、少し気難しい高級路線な感じがします。
ホットクックは2015年の発売以来多くの方に愛されてきて、メーカー公式のコミュニティも活発ですし、Twitterでもホットクック垢と呼ばれる方々がいて、おいしいレシピをシェアしたり、ホットクック導入の相談に乗ったりしておられます。
オートクッカー ビストロがそこまで行けるかどうかはまさにこれから。
現状、個人的にではありますが、初めて電気調理鍋を購入するという方に「かき混ぜ3兄弟」の中でどれをお勧めするかといえば、やはりホットクックになります。
公式レシピもおいしいですし、SNSでホットクッカーの方々が発表されているレシピも幅広く、おいしいものが多いです。
また、勝間和代さんの本や料理研究家の坂下千恵さんのレシピ集を参考にすれば、誰でもおいしいものを作ることができますので、初心者向けにはホットクック一択だと思います。
さらに凝った料理を作りたいとか、圧力鍋を使ってみたいという方であれば、もちろんオートクッカー ビストロも選択肢に入ってくると思います。
今回は2023年2月にパナソニックが発売した圧力鍋機能付自動調理鍋「オートクッカー ビストロ」をご紹介しました。