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ども、デイブでございます。アップル関連で最近のホットニュースといえば「Apple Musicでのハイレゾロスレス音源配信開始」だと思います。
ハイレゾって、なんか高音質っていうのはわかるけど、ハイレゾロスレスって言われちゃうともうよくわからないし、どうやれば聴けるもわからん!ってなっちゃう人も多いと思います。私もわかりませんでした。
ハイレゾロスレスってハイレゾの上位呪文みたいなもの?
この記事を読めば、そんなあなたもハイレゾロスレスの正しい知識と、各種再生方法、手軽な楽しみ方など、まとめて理解できちゃいます!
タップできる目次
「Apple Musicハイレゾロスレス配信価格据え置き」の衝撃
なぜApple Musicのロスレスハイレゾ対応が話題になっているのか、それは、下記の3大きい音楽ストリーミングサービスのハイレゾ対応状況を見れば一目瞭然です。
項目 | Apple Music | Spotify | Amazon Music |
---|---|---|---|
楽曲数 | 7,500万曲以上 | 7,000万曲以上 | 7,000万曲以上 |
ハイレゾ価格 | 個人 980円/月 学生 480円/月 ファミリー 1,480円/月 6名まで | 未発表(下記は現料金) ・個人 980円/月 ・デュオ 1,280円/月 ・ファミリー 1,580円/月 6名まで | ・個人 1,980円 (プライム会員:1,780円/月 or 17,800円/年) ・ファミリー 2,480円/月 (プライム会員限定年額 プラン:24,800円/年)6人まで |
ハイレゾ対応 | Apple Music (ロスレスハイレゾ) 開始済み | Spotify HiFi 2021年後半開始予定 | Amazon Music HD(Ultra HD) 開始済み |
無料トライアル | 3ヶ月 | 1ヶ月 | 3ヶ月 |
そう、Apple Musicがすごいのは、なんといっても料金が据え置きにしちゃったところなんですよね。先行しているAmazon Musicは、ハイレゾ音源を再生するには通常料金の2倍かかってしまいます。2021年後半にハイレゾ音源配信を予定しているSpotify HiFiも、同じような値段が予想されています。
他の独立系の音楽配信サービスmora qualitas(1,980円)や、Deezer Hifi(1,470円)も、1,000円を切っているものはありません。
手続き不要、なにもしなくても、今日から全部ロスレス&対応音源はハイレゾ!というのはすごくインパクトがありました。競合のSpotify HiFiの方の値付けにも影響があると思います。
「ハイレゾ」と「ロスレス」は別物です
ロスレスはデジタルデータの圧縮方式
音楽をデジタルデータに変換するときに、なにもしないとデータが巨大になり、ダウンロードはもとより、ストリーミングなどはネットワークの負荷がかかりすぎます。
そのためデータを小さくするために圧縮をするのですが、そのときに元のデジタルデータに完全に戻せる形で圧縮する(可逆的圧縮)か、元の完全なデータには戻せない(不可逆的圧縮)かの2つの方法があります。前者の方が高品質な圧縮方式ですが、データの圧縮率はそれほど大きくありません。後者のほうがデータ容量を小さくできます。
前者の、高品質な圧縮方式がロスがない=「ロスレス」といって区別されています。
でも、ちょっと考えてください。いくら圧縮方式が優れているからといって、元の音質が悪ければ、それをそのまま圧縮したところで良い音にはなりませんよね。じゃ、音質の方を優れたものにするには? そこで登場するのが「ハイレゾ」なんです。
「ハイレゾ」はアナログのデジタル化の品質の話
もともとアナログ音源は、なめらかな並でできているのですが、それをデジタル=0/1で再現する場合は、横方向の細かさと縦方向の細かさが問題になります。横方向は時間経過の軸なので、これは細かく刻めば刻むほど緻密になります。縦方向は、その切り刻み1回1回をどれくらいの細かさで読み取るか、という値になります。
- 【横】サンプリング周波数=1秒間あたりの音の振幅=Hz(ヘルツ)
- 【縦】量子化ビット数=1つの波をどれだけ細かく分解するか=bit(ビット)
という数値で表現します。基本となるCDは【44.1Khz/16bit】、つまり1秒間に約4.4万回に細切れにし、さらにその1つ1つを16bit = 6万5536個に分割して読み取り、再生しています。
「ハイレゾオーディオ」(ハイレゾリューション/ハイレゾ)ついては、CDをベンチマークになっており、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)では下記のように定義しています。
「ハイレゾオーディオ」(*注1)と呼称をする場合”CD スペックを超えるディジタルオーディオ“ であることが望ましい。*(注1)オーディオ及び音声を意味して使用される“ハイレゾリューション”、“ハイレゾ”という呼称に関しても含む。
(中略)
ここでいう CD スペックとは、CD フォーマットで規定されている 44.1kHz サンプリング、16bit 量子化と、DAT/DVD などのフォーマットで使用されている 48kHz サンプリング、16bit 量子化のディジタルオーディオを指す。
25JEITA-CP第42号(平成26年3月26日)公告「ハイレゾオーディオの呼称について(周知)」(PDF)より引用
と定めています。つまり、CD同等=【44.1Khzおよび48Khz/16bit】以上のサンプリング周波数や量子化ビット数でデジタル化された音源を「ハイレゾ」と呼び、同音源を再生できる機器をハイレゾ対応機器として下記ハイレゾマークを付けることを認めています。
ハイレゾロスレス=ダブルで高音質ということ
それぞれに分解して説明しましたが、今回アップルが配信を開始したのは圧縮方式のみが高品質な「ロスレス(ALAC = Apple Lossless Audio Codec」と、圧縮方式もデジタル変換方式もCD同等以上な「ハイレゾロスレス音源」なんです。
ちょっと説明が長かったけど、Appme Musicのハイレゾロスレスはすごく音質がいいんだね!
そうなんだ。でも、高音質を追求したので、再生には条件があるんだよね
Apple Musicのハイレゾロスレス配信が開始!
Apple Musicでは、2021年6月8日からハイレゾロスレス音源の配信を開始しました。
対応する楽曲をiPhoneのミュージックアプリで再生すると、「ハイレゾロスレス」というマークが表示されます。でも、このマークを表示させる=ハイレゾロスレス音源を再生するのは、ハードウェアの準備と、ソフトウェアの設定が必要になります。ここからはそちらをそれぞれご紹介します。
まずはDACを用意しましょう
そのままでは再生できないハイレゾロスレス音源
iPhoneやiPad、またMacやWindows PCでも、標準的にサポートしているのはCDクオリティまでです。つまり、ハイレゾロスレス音源である、44.1kHz/16bitや、192kHz/24bitなどのデジタルデータをアナログ変換してオーディオ機器で聴けるようにするためには、専用のデジタル・アナログ変換機器が必要になります。それがDAC=Digital Audio Converterです。
DACの中でも、信号変換だけでなく、直接イヤホンやスピーカーを接続できるものは「DAC搭載アンプ」と呼ばれ、主に3つのタイプがあります。
① 据え置き型DAC
基本的に据え置きで使用するモデルです。USBバスパワーで動作するものもありますが、基本的にはAC電源に接続するのが推奨されています。
② ポータブル型DAC
③ スティック型DAC(Lightning DACなど)
最近注目が集まっているのが、このタイプのさらに小型のDACです。特に、Apple Musicでのハイレゾロスレス音源配信開始に伴い、iPhoneやiPadに対応したLightning端子への接続が可能な「Lightning DAC」というジャンルに注目が集まっています。
※ちなみに、イヤホンジャックを廃止したiPhoneに付属している、「Apple Lightning – 3.5mmヘッドホンジャック」って、これも立派なDACです。ハイレゾには対応してないんですけどね。
Shanling UA2を買いました
私が購入したのは、1万3,000円くらいでやすかったShanling UA2というモデルです。
Shanling UA2については、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。コスパが良く、汎用性の高いスティック型のDACですよ!
iPhoneでハイレゾロスレスを再生する方法
所要時間: 3分.
iPhoneは、設定>ミュージックだけでOKです。
- 「設定」>「ミュージック」>「オーディオの品質」をタップ
まずは、歯車アイコンの「設定」を選択し、結構下の方にあるアプリ一覧の中から「ミュージック」を選択し、「オーディオの品質」をタップしてください
- ロスレスオーディオをオンにし、「Wi-Fiストリーミング」「ダウンロード」をタップします
ロスレスオーディオがオフになっていたらオンにしてください。その後、下のリストから「Wi-Fiストリーミング」あるいは「ダウンロード」をタップしてください。ちなみに「モバイル通信ストリーミング」はモバイル通信でのデータ転送量が巨大になってしまうのでおすすめしません。
- 「ハイレゾロスレス」をタップします
リストの中から一番下の「ハイレゾロスレス」をタップしてください
- 「Wi-Fiストリーミング」「ダウンロード」が「ハイレゾロスレス」になっていることを確認
2回同じ作業を繰り返せば、これでiPhone側の設定作業は終了です
- iPhoneにShanling UA2を接続してハイレゾロスレス対応音源を再生します!
「ミュージック」アプリを起動し、ハイレゾロスレス対応音源を再生してください
- Shanling UA2のLEDを確認します
最後に確認として、LEDの色が青から黄色になったことを確認してください
LEDの色 | フォーマット | LEDの色 | フォーマット |
---|---|---|---|
ブルー | 44.1/48KHz | シアン | 352/384/705/768 KHz |
グリーン | 88.2/96KHz | ホワイト | DSD 64/128/256/512 |
イエロー | 176.4/192KHz | レッド | 44.1/48KHz (UAC1.0接続時) |
Macでハイレゾロスレスを再生する方法
Mac OSでハイレゾロスレス音源を再生するには、3つ設定箇所があります。Shanling UA2でないDACでも設定は同じですので参考にしてください。
① サウンドで「Shanling UA2」を選択
UA2を付属のUSB Type-Cケーブルで正しく接続すると、画面のようにコントロールパネルの「サウンド」で「出力」タブを選択し、「サウンドを出力する装置を選択」でUA2を選択してください。
あるいは、同「サウンド」ダイアログボックスの一番下の「メニューバーに音量を表示」にチェックを入れておけば、スクリーンショットの右上のように、音量メニュー(スピーカーのアイコン)をクリックすると再生デバイスが変更できます。
② 「Audio MIDI設定」で出力フォーマットを選択
ちょっとトリッキーなのはこの工程ですね。Mac OSの場合は、さらにUA2に出力するオーディオフォーマットを選択しておく必要があります。
Finder>「移動」メニュー>「ユーティリティ」サブメニューを選択し、アプリの中から「Audio MIDI設定」を起動してください。
接続済みのShanling UA2を選択肢、フォーマットプルダウンメニューからApple Musicの最大のフォーマットである「2ch 24ビット整数 192.0Khz」を選択してください。これで機器設定は完了です。
③ 「ミュージック」アプリの設定
最後がミュージックアプリでのフォーマット設定です。この部分は上記iPhoneで行ったように、ロスレスオーディオを使用するか、使用するとしたらストリーミングおよびダウンロード時それぞれでどのレベルのロスレスオーディオを使用するかを選択するわけです。
「ミュージック」アプリを起動し、メニューバーの「ミュージック」メニュー>「環境設定」サブメニューを選択すると上記の設定パネルが表示されます。
ここで、「ロスレスオーディオ」のチェッボックスをオン、さらに「ストリーミング」「ダウンロード」それぞれのプルダウンで「ハイレゾロスレス」を選択し、最後に「OK」ボタンをクリックすれば完了です!
このように、Apple MacBook Pro M1でもハイレゾロスレス音源が楽しめるようになりました!
Apple Musicでのハイレゾロスレス配信についての感想
良かったポイント①:音質
ロスレスでもない音源とハイレゾロスレス音源を聴き比べば誰でも一発でわかると思うのですが、一番感じるのはクリアさ、ですね。通常音源を聞いているだけではわからなかった「薄膜」みたいなものがハイレゾロスレスにきりかえるとさっ!と取り払ったような確実な変化を感じます。
また、個々の音が整理され、聞きやすくなる効果も感じました。
良かったポイント②:値段
他社の対応状況をわかった上で、の話なんですが、正直「これ大丈夫なのかな?」と思うくらいやはり値段据え置きというのはインパクトありました。
イマイチなポイント①:まだ対応曲数が少ない(古い曲からハイレゾになっている傾向)
7,500万曲を誇るAppme Musicですが、アップルによればハイレゾロスレス配信開始当初は、48kHz/24bitの楽曲は700万曲以上、48kHz/24bitを越えるハイレゾ楽曲は100万曲以上が目安と発表しています。
ただし、ロスレスはともかく、ハイレゾロスレスとなると結構古い定番曲から配信開始している印象です。試しに、最新のヒットチャートである「Top 100 Global」と「Top 100 Japan」の2021年6月23日現在の状況をすべて再生してチェックしたところ、下記の通りの結果となりました。
プレイリスト | 無印 | ロスレス | ハイレゾ |
---|---|---|---|
Top 100 Global | 12 | 87 | 1 |
Top 100 Japan | 26 | 72 | 2 |
Global/JapanのTop 100合計200曲のうち、Globalチャートでは1曲、Japanチャートでは2曲の計3曲のみがハイレゾロスレス配信されている状況です。
一方で、古め定番曲は結構ハイレゾ配信されていました。これはこれで個人的には「嬉しい!!」んですが、さらなるハイレゾ化を期待しちゃいますね。
イマイチなポイント②:検索方法がない
現在Apple Musicでは、せっかくハイレゾロスレス音源を再生できる環境を整えたとしても、現状「ハイレゾロスレス音源」を発見する方法がありません。再生してみないとわからないんですよね…
将来的にはほとんどすべての楽曲をハイレゾロスレス配信するから意味がないと思っているのか…
でも、すでに多数の楽曲を積極的ハイレゾ配信しているAmazon Musicでは、プレイリストでも【ULTRA HD】(192kHz/24bit = Appleハイレゾロスレスと同じ)をがっつり打ち出していますし、検索でも引っかかります。
サービスの立ち上がり時期にはできるだけ多くの人にハイレゾロスレスの良さを楽しんでもらうべきだと思うので、ハイレゾロスレス音源だけを集めたプレイリストなどはApple Musicでも提供してほしいと思いました。
最後に、色々書いちゃいましたが、今回はShanling UA2の約1.3万円の投資だけで、改めて新たな気持で音楽を楽しめるというのは予想以上に楽しい体験でした。海外のハイレゾ配信サービスも気になっていましたが、【いつもそこにあったApple Musicでハイレゾが楽しめる】っていうのがすごく良かったんですよね!
もし気軽に高音質な音楽を楽しみたい方がいらっしゃったら、ぜひ1歩踏み出しちゃって下さい! それではまた!