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2022年上半期は完全ワイヤレスイヤホン(TWS)のカテゴリにはゼンハイザーのMomentum True Wireless 3の登場が大きな話題になっていましたね。でも、同モデルってAmazonの販売価格が3万6300円もするんですよね…
私も家電量販店の店頭で視聴させてもらいました。確かに音質もノイキャンも良かったのですが、でもイヤホンに3.6万円はちょっと高いですよね。個人的には、
- もちろん良い音質で、かつ装着感も優れていること!
- ノイズキャンセリング搭載&ちゃんとノイズを抑えてくれる!
- テレワーク中にも使用するので、音声通話もちゃんとこなしてくれる!
- スマホでもPCでも使用するので、マルチペアリングかマルチポイント対応!
- 値段は安いほうが嬉しい!
ふふーん、そんな虫の良い条件をクリアする完全ワイヤレスイヤホンなんてあるの?
ふふーん、それがあるんだな! 今回ご紹介する「1MORE EVO」です!
(この展開ちょっとわざとらしかったかも…)
タップできる目次
1MOREというメーカー
今回レビューした「1MORE EVO」は、1MORE社が開発した同社最新の完全ワイヤレスイヤホンです。「1MORE」という社名にはまだ耳馴染みがないかもしれませんが、2013 年に中国の広東省深圳市で創設された音響設計・開発、スマートソフトウエア、ウエアラブルオーディオ製品に特化したメーカーです。
現在は、米国カリフォルニア州サンディエゴと中国・深圳市に本社を置き、そして2021 年までに世界 40 カ国以上で 8,500万台のイヤホンを出荷するまでに成長しています。1MOREブランドの製品は、ヘッドホンブランドとして受賞数最多で CES イノベーションアワード 9 回、 iF Design Award 8回、 International Design Awards 38 回、 RedDot賞など数々の受賞歴があります。
昨年ヒットしたのは「マツコの知らない世界」でも紹介された「寝ホン(寝ながら装着できるイヤホン)」こと、「1MORE ConfoBuds Z」ですね。筐体が非常に小さいので、耳穴を圧迫しません。
これで、眠りに誘われるような環境音を流すとよく眠れます。
1MORE EVOという完全ワイヤレスイヤホン
1MORE EVOはそんな同社のフラグシップモデルであり、下記のような特徴を持っています。
- ハイレゾ・LDAC対応のBA&ダイナミックハイブリット型ドライバーユニット
- 場所に応じて最適な設定を選択するマルチノイズキャンセリングモード搭載
- 通話音声を向上させる左右合計6つのマイクと個のマイクと AI を搭載したDNN(Deep Neural Network)アルゴリズムでクリアな音質を実現
- 連続28時間再生可能&Qiワイヤレス充電に対応、15分間のクイック充電で4時間再生可能
- 2台の接続先に同時に接続できる「マルチポイント対応」(テスト機能として)
- 価格は2万円ぎりの19,990円
どうですか?なかなかリッチな機能が盛り込まれていますよね。特に、個人的には5番目のマルチポイントが気になりました。
マルチペアリングとマルチポイントの違いとは
- 「マルチペアリング」とは、複数のBluetooth対応デバイスとペアリングを行うことができる機能です。ただし、使用する機器を変更する場合はペアリング先の変更も行う必要があります
- 「マルチポイント」とは、複数のBluetoothデバイスと同時にペアリングでき、あるデバイスで再生をしている時、別のデバイスで再生を開始するとそちらの音声が再生されます
そう、本機は2万円とリーズナブルながら、MOMENTUM True Wireless 3やSONY WF-1000XM4でも搭載していないマルチポイント機能を備えています!
これ本当に便利で、ただ再生ボタンを押すだけで再生元を切り替えられました!
1MORE EVOのパッケージとデザイン
1MORE REVOのパッケージ
1MORE EVOのパッケージを開封していきます。
パッケージ上面には「ハイレゾワイヤレスロゴ」が輝いていますね。1MORE EVOはLDACに対応しています。
パッケージも同梱物もかなりクオリティが高いです。特にこの充電ケースは金属製ですが、表面は陶器のようなちょっとざらっとした質感で、安っぽさが全くありません。
1MORE EVO同梱物
同梱物は、イヤホンと充電ケース本体(左上)、USB Type A to C充電ケーブル(左下)、イヤーピース XS,S,M,L,XL(右)が付属します。イヤーピースは、本体装着済みの物を含めて5サイズ付属しています。
こちらが1MORE EVOのイヤホン本体です。耳に挿入するダクトの部分が円ではなく楕円形になっていますね。筐体自体は結構ぷっくりして存在感あります。
こちらは充電ケースの正面と底面になります。底面がフラットな形状をしているので、きれいに自立します。
この充電ケースはQiワイヤレス充電に対応していますのでこのようにケースを充電パッドに置くだけで充電可能です。底面が平らで、かつゴムの素材が貼ってあるので安定性が良いです。
直接充電する場合は背面のUSB Type-Cポートを使用します。
同梱の説明書にはもちろん日本語ページも用意されています。くまのステッカーかわいいですね。
1MORE EVOの装着感について
1MORE EVOを実際に装着してみました。耳から出っぱる部分が少々大きいので、ConfoBuds Zのような寝ホンとしてはあまり使えないですが、全体的に軽量なため、長時間装着していても疲れにくいと思います。
1MORE EVOスペック
1MORE EVO(EH902) | 仕様 |
---|---|
ドライバーユニット | ダイナミック型 + BA型 |
ノイズキャンセリング | 対応(ディープ・マイルド・WNR 風切り音低減・スマート) |
外音取り込み | 対応 |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC |
ペアリング | マルチ |
Bluetooth仕様 | Bluetooth 5.2 |
対応プロファイル | HFP/A2DP/AVRCP |
再生時間 イヤホン単体 | 5.5時間 |
再生時間 充電ケース併用 | 20時間 |
イヤホン充電時間 | 1時間 |
充電ケース充電時間 | 2時間 |
イヤホン重量 / サイズ | 片耳5.7g / 2.2 cm x 2.1 cm x 2.5 cm |
充電ケース重量 / サイズ | 46.9g / 6.7cm x 28.6 cm x 38.7 cm |
総重量(ケース含む) | 58.3g |
価格 | 19,990円(税込) |
1MORE EVOのスペックを表にしてみました。こうしてみると、本当に完全ワイヤレスイヤホン
1MORE EVOのペアリング方法
1MORE EVOは、スマホがAndroidでGoogleの「Fast Pair」に対応していれば、初回は充電ケースのフタを開けてスマホに近づけるだけでスマホにペアリング用のカードが表示され、 簡単にペアリングできます。
Fast Pair非対応Androidスマホや、iPhoneの場合、下記のステップでペアリングモードに入ると、「設定」>「Bluetooth」で新規デバイスとして検出されるので、追加してください。
初回のペアリング | 充電ケースにイヤホンを収納しケース中央のペアリングボタンを5秒間長押し |
2台目以降のペアリング | ペアリングボタンを3回タップ |
マルチポイント設定方法
1MORE EVOはマルチペアリングに対応しています。すでに1台目の機器とペアリングを完了した状態で、イヤホンを収納した充電ケースのペアリングボタンを3回タップすることで、2台目のペアリングモードになりますので、2台目の接続先デバイスでペアリングを行なってください。
これは、左のPixel 6(Spotify再生)と、右のiPhone 12 Pro Max(Apple Music再生)で1MORE EVOをマルチポイント接続している模様です。赤い部分を見ていただくと分かる通り、同時に1つの完全ワイヤレスに接続されているのが分かると思います。
この場合、先に再生を行った方にまず接続し、そちらで再生停止や一時停止して1MORE EVOから音が聞こえなくなった状態で、もう一方のスマホで再生を開始するとそちらからの音が1MORE EVOから聞こえてきます。これ、めちゃくちゃ便利ですよね…
Apple AirPodなどH1チップ搭載のイヤホンはよりスムーズにマルチポイント接続を実現していますが、1MORE EVOはWindows/Mac/Androidスマホ/iPhoneなど機種に関係なく複数デバイスで同時接続を実現しているのがすごいです!
なんか魔法みたい!
Bluetoothの切り替えって時間かかるし時々失敗したりするから、これはすごく便利!
AndroidスマホでLDAC接続する方法
ペアリング後、Androidスマホの場合は上記のようにBluetooth設定画面から1MORE EVOの詳細を開き、「HD オーディオ」の項目をオンにしてください。
1MORE MUSICアプリについて
1MORE製品は、同社の「1MORE MUSIC」をスマホにインストールすることで、詳細な設定や機能拡張が可能です。
1MORE MUSIC
1MORE Acoustic Technology(Shenzhen) Co., Ltd無料posted withアプリーチ
スマホのペアリングが完了した状態で起動すると、まずアプリに1MORE EVOを登録するように促されます。
製品の色を選ぶと、以降の画面ではその色でイヤホンが登場します。細かいですが気が利いていますね。
1MORE MUSICホーム画面
こちらが1MORE MUSICアプリのホーム画面です。上半分には左右のイヤホンと充電ケースの充電残量が表示されています。下には「リスニングモード」として、ノイズリダクションと各モード、および外音取込機能の切り替えができます。
画面には映っていませんが、その下には下記のようなメニューが並んでいます。ちょっと内容が分かりにくいメニューもあるので、太字の項目はピックアップしてご説明します。
- スマート再生:装着検知機能により、イヤホンを耳から一旦外してまた装着した時に、「何もしない」「一時停止だけ」「一時停止し、再装着時に自動再生」から選択できる
- お客様の設定:タッチパッドをダブルタップ・トリプルタップした時の動作を選択
- SoundID:イコライザー。A/Bテスト方式で好みの音質に変化させる
- Bluetooth接続設定:「音質優先」か「接続安定性優先」を選択。LDAC接続したい場合は、前述の通り「音質優先」を選ぶ必要あり
- OTAファームウェアのアップグレード
- 製品へのクイックガイド:タッチ操作に関するクイックガイド
- 落ち着くサウンド:環境音再生機能
お客様の設定=1MORE EVOのタッチコントロール
1MORE EVOは左右ともタッチ操作に対応しています。それぞれ「長押し」「ダブルタップ」「トリプルタップ」で異なる動作をします。
このうち、長押しはノイズキャンセリングモード→外音取込モード→オフ→ノイズキャンセリングモード…とノイキャン・外音取り込み機能の切り替えを行います。この操作は変更できません。
ダブルタップとトリプルタップはそれぞれ上記のように変更できますが、左右はリストにある4種類の動作からセットで選択するようになっています。
SoundID=イコライザーでガラッと変わる音質
実際使ってみて、そのアプローチと実際に得られる結果に結構びっくりさせられたのがこの「SoundID」機能です。いわゆるイコライザー(音質調整)機能は、低音・中音・高音をそれぞれいくつかの幅にわけ、それぞれの強弱を選択することで好みの音質に近づけていくものが多いと思います。
しかり、1MORE EVOのSoundIDは一味違いました!
左端のように、まず自分の好みの再生サンプルを選択します。次のステップで「AとBの音質のどちらが好みか、どちらも変わらないか」の3択を5回くらい繰り返すと最終的にそれが「My SoundID」として記録され、通常の音楽再生でもそのSoundIDをONにしておくことで好みの音質で音楽を聴けるようになるというものです。
これ、普通だったら自分がどんな選択をしたのか、通常のイコライザーでの結果を見せてくれそうなものですが、そういったことは一切ありません(笑)。右の画面のようなタイルが並んでいるだけです。
でも、これ非常に良くできていると思いました。「自分は低音多目が好き」「ボーカル重視だから中音上げ」などの思い込みを廃して、あくまで「好みの音質」をシンプルに選択させることで、本当の良い音を追求できますし、またその結果にも自分が主体的に関わっているので、なんか愛着が湧くんですよね、これ面白い機能だと思います。
落ち着くサウンド=環境音再生機能
「落ち着くサウンドってなんだ?」とこれをみた時には思ったのですが、これは雷雨や積雪、川のせせらぎなど、計30種類のいわゆる環境音を流してくれる機能です。単体でも、音楽と一緒に流すこともできます。
残念ながら環境音の音量調整はないので、音楽と一緒に楽しむのは難しいのですが、単体で聞くには集中力アップや睡眠導入の効果もあって良いと思います。
1MORE EVOのノイキャンと外音取込機能は?
ノイズキャンセリングの効果
1MORE EVOはマイクは各3個ずつ内容しており、外側に2つ(前向きと下向き)、内側に1つの3箇所にある。このうちノイズキャンセリングに使用するのは前向きと内側のマイクとなり、下向きのマイクは通話用として使用されます。
ディープ・マイルド・風切り音軽減・スマートという4つのモードがあり、一番ノイキャン性能を発揮する「ディープ」では確かにかなりのノイズが消えました。ノイキャン性能では未だトップのSONY WF-1000XM4と比較すると、1MORE EVOは若干弱い感じですが、それでも屋外や電車の車内、またカフェなどでの騒音をガッツリ、自然にカットしてくれます。
1MORE EVOに限らず、一般的なノイズキャンセリング機能付きのワイヤレスイヤホンの場合、屋外で風が吹くと「ほろほろほろ」と結構特殊な音が聞こえることがあります。これは2つあるノイキャンマイクのうち、外側についているマイクが風の音が拾うために発生しているものです。
ノイキャンの「風切り音軽減」モードは、ノイキャンの効きは弱くなる代わりに、違和感のあるほろほろ音を抑えるモードです。これ、実際に使ってみましたが確かに「ほろほろ」は軽減されました。
パススルー(外音取込機能)の効果
1MORE EVOのパススルーモード(外音取込機能)には「環境パススルー」と「ボーカルエンハンス」の2種類があります。
パススルーに関しては、AirPods Proと比較してしまうと音がこもる感じはありますが、ノイキャン・オフと比較するとしっかり周囲の音を聴けるようになります。ただ、私の耳では「環境パススルー」と「ボーカルエンハンス」の違いは分かりませんでした。
1MORE EVO音質チェック!
スマートバーンイン(エージング)機能も搭載
これ、完全ワイヤレスイヤホンのアプリでは珍しいと思うのですが、アプリの機能としていわゆるエージング(ならし)を行う機能があります。結構時間もかかるのですが、一時停止もできるので、もしエージングをしてみたい方はご利用してみてください。私は一応、音質チェックの前に4フェーズのプログラムを完了しました。
実機視聴チェック
実際に、いつもサウンドチェックに使用している曲で音質をチェックしてみました。音質の評価は、イヤホンの形状と耳の形状のマッチングや好みに左右されますので、あくまで参考としてお読みいただけると幸いです。試聴時は「ノイキャンあり&DEEP」に設定しています。
なお「バーンイン4ステージ完了済み」「SoundID作成済み」となりますが、試聴時はSoundIDをオフにして聞いています。私は低音はブーミーよりはタイト目な音質が好みで、中・高音は解像度が高くクリアな音質が好みです。よく聞く音楽はハウスやダンスミュージックです。
① Jet Black – チャンネル・トレス
この曲は、主に低音の質と、中高音とのバランスを聞いています。曲を通じて鳴り響くぶっといベースラインは、SoundIDオフの状態だと、低音が暖かめ、中音がグッと前に出ている関係でベースが厚めに聞こえます。高音はクリアですが刺さるような感じではありません。いわゆるかまぼこ型の音質ですね。
これが、私好みのSoundIDを適用するとキャラクターがガラッと変わって、低音タイト目、中高音がバランスが良くなるので、結構びっくりします。
この調整幅はユニット自体の性能の高さに起因していると思います。全体的に余裕が感じられる音質でかなりボリュームを上げても歪みなどは一切ありません。
② Just The Two of US – ホセ・ジェイムズ
この曲は男性ボーカルを確認するために入れています。SoundIDなしの状態は、ボーカルが艶っぽく非常にきれいに響いており、また他の楽器から浮き上がって聞こえます。中高音もクオリティが高く、ボーカル曲はこれでありな感じですが私はSoundIDありの方が良いと思いました。
③ Swan Song – デュア・リパ
この曲では女性ボーカル、音場の広さ・狭さと表現力をチェックしています。女性ボーカルも、曲の主役として目立って聞こえて響きもきれいです。やはり素ののままだと
音場はあまり広くはなく、割とタイトなスペースで鳴るイヤホンだと思います。ただ解像度は高いので、音が狭いところでごちゃ混ぜに鳴るようなことはなく、整理されています。
女性ボーカルはやはり響きはきれいだと思いますが、艶まではいかない=中音が他の音域と比較してバランスを保っていると感じました。
④ The End of ASIA (2019 Bob Ludwig Remastering) – Yellow Magic Orchestra
この曲は純粋に好きだから入れてます(笑)。高橋幸宏のドラムから始まる曲の冒頭の効果的に観客のノイズが使われているのですが、ここでなんとも言えないライブの空気感が感じられて好きなんですけれども、全体的にここでもこのイヤホンは音場は広くないと感じます。
まとめ
1MORE EVOは、素の状態ではかまぼこ型で解像度もキレキレというようはどちらかというと柔らかい音質です。しかし、SoundIDを当てると同じイヤホンとは思えないほど性格が変わって、結果的に自分の好みに近づけることができました。
これは、BA型とダイナミック型のドライバーをハイブリッドで搭載しており、かつ両方ともクオリティが高いためだと思います。気分によって、SoundIDをオンオフすることで、色々な音質を楽しめるという点では面白く魅力的なイヤホンでした。
1MORE EVOのオススメ・イマイチポイント
最後に、1MORE EVOのオススメポイントとイマイチポイントをまとめてみました。
以上です。最後ちょっとイマイチポイントも数点挙げさせていただきましたが、これもオススメポイントに列記した内容が素晴らしいため、細かいところが気になるだけで、この20,000円切りの完全ワイヤレスイヤホンの機能性の高さと音質は他に類を見ない出来栄えだと思います。
また、製品のクオリティが高くて高級感があることも強調しておきたいと思います。これは背面ですが、ヒンジの部分の精密さやガタ付きのない開閉動作がとても良いです。
こちらは正面ですが、左右のイヤホンの中央にあるボタンのツライチきれいに揃って真っ平らで、ボタンも隙間がほとんど見えない点など、どれも毎日見たり、触ったりする部分なので非常に満足度高いです。
もし、同価格帯で、買って満足する完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方は、ぜひ1MORE EVOをチェックしてみてください!