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Davinci Resolveって知ってますか?
今日は、会社が終わってから米Blackmagic Design社のビデオ編集ソフト最新版、「DaVinci Resolve 15(DR15)」の勉強会に参加してきました。
今日の勉強会は、Vookという映像制作関連のオンライン学習サイトが開催したもので、同社が渋谷に今年3月にオープンしたイベントスペース「Vook Space Tokyo」で行われました。
株式会社アドワール(Vook運営会社)代表取締役社長 岡本俊太郎さん
期待のDR15の勉強会だって!
私は、前職がクリエイティブツールの開発会社だったり、現在も公私に渡って動画制作に携わっています。特に、DR15はカラーコレクションやカラーグレーディングといわれる、動画の色を希望の色に近づけたり、意図的に色をつけたりする機能に優れており、以前より気になっていました。
DR15は、なんと開発中のベータ版を無料で配布(オープンベータと言われます)しており、正式版への最終ブラッシュアップを続けている最中です。正式版公開に向けて利用者の間でも非常に期待が高まっているのですが、一方で同社製品に関しては日本語の資料や書籍も限られているます。そういったギャップを埋めるにはちょうどいいタイミングで開催された勉強会だったので、参加費2,000円でしたが即応募して参加してきました。場所は渋谷ヒカリエそばのこちらになります。
ちなみに、参加者は約30名で、DaVinciユーザーが半分、Adobe Premiere Pro CCかFinal Cut Pro Xのユーザーが残り半分、といったところでした。ほとんど、お仕事で動画制作をされている方のようでした。
さて、早速ブラックマジックデザイン株式会社の岡野太郎さんの講義内容をメモ形式でまとめてみたいと思います。その前に、Adobe Premiere Pro CCを業務で使用しており、DaVinci Resolveは15のベータ版から触っている私が勉強会に出席した感想をまとめとして書いておきます。メインコンテンツの勉強回メモにつきましては、画面を見ながら、メモを取りながらと超忙しかったので箇条書きになっていますし、Mac版でご説明されていましたので、確認が難しく耳で聞いたままのメモになりますが、何かのお役に立てれば幸いです。
私が感じたポイント6つ(勉強会へのコメントも含む)
- 正直DR15は凄い!と思いました。DR15でFusionを統合したことで、動画編集に必要な全ての要素を1本に統合しつつ、さらにマルチユーザーによる共同作業を実現しているのが素晴らしい。それも、特別なサービスは不要で、ただのファイル共有サーバーで良いとは。私も、自宅PCと会社PCをNAS経由で作業継続すると思う
- Fusionとの統合(というか、文字通り融合)により、すでにいろいろメリットが出ている。例えば簡単で効果的なテキストアニメーションがFusionのエフェクトをResolveの中でも簡単に使用できるようになったは便利で、私でもすぐメリットを享受できると思った。
- ただ、私には当初ノードの概念はあまりに新鮮で、YouTubeの動画などで理解するまでそのお作法を理解するのが難しかった。でも、今は逆にAdobe Premiereのタイムラインの考え方も独特に感じるので、まさにお作法だけの問題だと思う。ここに着目した初心者向けお作法学習資料が望まれる。Adobeには多数存在している
- 日本語の資料(公式のマニュアルや書籍)が無いのは初心者にはハードル高い。DR15の新機能を紹介した公式PDF(英語)も282ページ、DR14のマニュアル自体も書籍として発売されていますがなぜかAmazon.comでしか発売されていない(下記にAmazon.comのリンク掲載しました)
- 価格について、33,980円(税抜)は破格。正直あたまおかしい。ただ、Blackmagic Designとして、ハードウェアを含めた全体のエコシステムとしての普及を考えたことだと思います。9月とか、年内とか言われているBMPCC4K(Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K)にもシリアルが付属するので、4Kカメラの導入から検討場合それもありかと
- Vook Space Tokyoは、コンパクトだけど渋谷駅すぐそばで、勉強会には使いやすいと思った(雑居ビルの8Fで、女性はちょっと入りにくいかもしれないけど)。ただ、今回残念だったのは、Fairlightのデモは音声必須だったのに、会場スピーカーへの出力ができなかったこと~ほんと、唯一残念!
では、本番です!
ブラックマジックデザイン株式会社 岡野太郎さん
DaVinci Resolve 15について
- DR15は、過去のバージョンアップの中でも最多の約300近い機能追加・改善を行っている
- ベータ版は現在バージョン3。約2週に1回のペースで更新している(前回の14のリリース時にはβ10まで更新を重ねた)
- DR15の正規版リリースは2018年7月〜8月を予定している
- 発売価格は発表済みの33,980円(税抜)。アップグレード版は無い
最大の強化ポイント
- 一番のポイントは、単体でリリースされていた動画合成ツール「Fusion」をソフト内部に統合したこと
- DaVinci Resolveは、以前はカラーコレクションやカラーグレーディングといわれる色を操作する機能のみのソフトウェアだった
- バージョン12.5で編集機能を強化、編集作業をソフト内にを取り込む
- バージョン14でオーディオ関連のツール「Fairlight」を取り込み、ついにバージョン15で動画合成ツール「Fusion」を取り込んだ
- これで、従来ツールを行き来しなければ完結しなかった複雑なワークフローを、DaVinci Resolveだけで完結できるようになった=これぞBlackmagic版の「働き方改革」だ
- しかし、既存ソフトウェアから無理に乗り換える必要はなく、これまで通りのワークフローを継続してもOK。
- コラボレーション機能を特に強化したので、共有ストレージ経由でプロジェクトファイルを共有し、同時間あるいは別時間での共同作業がマルチユーザーで実現できる=マルチユーザーコラボレーション
新機能ハイライト
エディット
- タイムラインにタブ機能がついた
- スタックタイムライン 上下で別のタイムラインを重ねて表示
- タイムライン間でクリップの移動も自由
サブタイトルツール
- サブタイトル・テロップを追加する専用のトラックが用意された。ビデオのトラックと分割して管理できるので、タイムラインがシンプルに
- 複数言語のタイトルを同時に重ねて表示・編集可能
- タイトルとビデオクリップをリンクさせれば、クリップの移動に自動でタイトルが移動する
- 汎用字幕ファイル形式である「.srt」ファイルの読み込み、書き出しも可能
- YouTubeで利用者に字幕を付けてもらって、動画をダウンロードして「.srt」ファイルを入手、DR15で後からフォントや属性を付ける、なんてことも可能
アノテーション機能
- 動画の中に、手書きメモや文字などを校正・編集指示などを追加できる=コラボレーションでの作業に役立つ
テキストアニメーション
- Fusionのテキストアニメーション機能をエディットタブに統合
- エフェクトライブラリの「Fusion Titles」に効果的なテキストアニメーションのテンプレートを多数含む。文字の打ち換えや色の変更だけで使用可能
- ただし、どういう動きをするかをサムネイルなどでレビューする機能はない(BMD 岡野さんもUSチームにリクエスト中)
カラコレ・カラグレ
- DR15のベータプログラムのフィードバックとして新しい「LUTブラウザー」が大変好評
- サムネイルで表示 マウスをホバリングさせると選択したクリップでプレビュー可能
- LUTを複数選択すると、画面を最大16分割して結果を確認できる
- 「ALT」キー+「Option」キーを押しながら階層メニューでLUT名を選択すると、クリップ表示画面に一時的に適用されるので選択が容易に
ノード
- ノードの機能拡張で岡野さんの一押しは「共有ノード」
- タイムラインの複数クリップで同様に適用したいノードを共有ノードとして登録する=共有ノードの設定変更が全部の共有ノード使用クリップに適用される
- 活用例)カラグレやカラコレを施したノードを共有ノードとして登録、ほかのクリップから呼び出す
- (会場からの質問)複合ノードにまとめて、それを共有ノードにすることは?→できない
Resolve FXについて(DR標準のエフェクト)
- DR15は50のデフォルトエフェクトを備えている。中には、Fusionより強力だったり、高速に動作するエフェクトもあるので、賢く使ってほしい
Fusionについて
- DR15での大きな変更点=エディットしながらすぐにFusionに移動できる
- 全部で250種類のエフェクトがエフェクトライブラリにある
- 編集時には、カラーの高価やFusionの効果を一時的にバイパスすることで、PCのスペックが低くても作業ができる
- Fusionのベータが取れるのは、Davinci本体よりかなり遅れて、年末までかかると予想。各種のレンダリング方式に最適化を行う必要があるため
luaとpythonを使ったスクリプティング
- 将来的にスクリプト操作に対応予定
- スクリプティングガイドを制作している
- 最終的には、Davinciそのものの機能全体をスクリプティングに対応させる予定 特定フォルダの監視から特定作業をバッチ処理で自動編集してしまう、な
Q&A
日本語のわかりやすい資料は?
- ビデオサロン(玄光社)とVook共同監修の「Davinci Resolveカラーグレーディングブック」。とくに、78pの「Cutters Studio Tokyo」の事例は必読
- バージョン12.5のマニュアルが日本語化されている
- vookで昨日始まった、プレミアム会員(年間2万円)になると視聴できるビデオトレーニング
DaVinci Resolve カラーグレーディングBOOK
- 作者: ビデオSALON編集部
- 出版社/メーカー: 玄光社
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: 単行本
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パラレルノード・レイヤーノードの上手な使い方は?
米国の著名なポストプロダクションの熟練したカラリストでも、パラレルノード・レイヤーノードは使用していない。シンプルにシリアルにノードを並べればOK
DR15にはいつ移行するのがオススメ?
普通に、正式版がリリースされたタイミングだけど、競合に差を付けたければ、ベータ版から移行して頑張るのも手かもしれない
FCPXユーザー。「併用」「乗り換え」どちらがオススメ?
FCPX+Davinci Resolve 15の組み合わせでの運用も可能だが、もしカラコレ・カラグレの本格的な活用を考えているか、DaVinciの機能を2つ以上活用するなら、生産性の理由で完全移行をおすすめする
DaVinci Resolve 15を快適に動作させるためのPCは?
Windowsマシンでの質問でしたが、岡本さんはマウスコンピュータの「DaVinci Resolve 14推奨マシン」を返答していました。
会場にはDaVinci Resolve Mini Panel(約34万円)とiMac Proが設置されており、自由に触れるようになっていました
DaVinci Resolve 15、かなり期待が高まってまいりました
約1時間半の濃ゆいセミナーが終了したあと、イスを片付けて懇親会がありました。本格的なカラーコレクション・カラーグレーディング機能だけでなく、使いやすい編集機能、Fusionを統合して完成に近づいたワンストップのワークフローなど、今回のDR15は非常に魅力的だと感じました。現在すでにベータ3を触っていますが正式版の発売がとても楽しみです。
また、Vookは先日年間2万円のプレミアムプランをリリースしており、動画制作関連のビデオチュートリアルなどが無制限で閲覧できるそうです。ビデオチュートリアルの場合、第1話はプレミアム会員にならなくても視聴できるので、その上で判断することをおすすめします。でも、もしお仕事で使用しているのであれば、この値段は決して高くないと思いました。
さて、今回は非常に長ーいメモになってしまいました。また当方の知識不足で誤字・脱字などあるかもしれませんが、DaVinci Resolve 15に興味を持っていらっしゃる方の何かのお役に立てば幸いです。それでは、また!
詳細なレポートありがたいです!
自分はwin8.1でDR15b3では結構バグがあるので、win / mac / linux のどの環境がメインの開発なんですか?と終わった後で質問したのですが、どれも一緒とのことでした。 早く安定版ほしいですな。